みなさんは株式配当金をどうやって受取っていますか?受取方法によってメリット/デメリットが大きく異なります。
株式配当金受取方法の種類
株式配当金の受取方法は、そもそもどのような方法があるのでしょうか。整理してみます。
配当金領収書方式
昔はみんなこれでしたよね。「配当金領収書」が企業から送られてきて、それに印鑑を捺印して、通帳と一緒に郵便局(ゆうちょ銀行)に持ち込んで入金するもの。一度、捺印を忘れて面倒なことになった経験もあります。不便でしょうがないので、自分は早々に止めた(変更した)のですが、世の中的にはまだまだ主流の方法のようです。
株式数比例配分方式
証券会社の口座で配当金を受取る方法です。この時、同一銘柄が複数の証券会社にまたがって預けられている場合、預けてある株式の割合によって(割合に比例して)、配当金が入金されます。
登録配当金受領口座方式
この方式は銀行などの金融機関の口座で配当金を受取る方法です。この場合の金融機関はどこか1つの金融機関に集約されます。A証券会社に預けてある株式も、B証券会社に預けてある株式も、自分で指定した1つの金融機関に入金されます。
個別銘柄指定方式
配当金を銀行などの金融機関で受取る方式ですが、株式銘柄ごとに配当金を受取る金融機関を指定することができます。ただし、取扱できない証券会社も多いと思います。ごくまれな方法。
どの受取方法がよいのか?
NISAの場合
NISAの場合は、「株式数比例配分方式」一択です。理由はNISAのメリットである非課税扱いとするにはこの方法しかできないからです。これに関しては、日本証券業協会からも注意事項として案内がされています。
NISAではない場合
私はNISAはつみたてNISAにしているので、個別株はNISAは使っていません。この場合は、「登録配当金受領口座方式」にして、楽天銀行で受取るのが収益性を改善するのに最も適した方法だと思います。
楽天銀行「配当金受取プログラム」
このブログでも何回か紹介していますが、楽天銀行の常設企画「配当金受取プログラム」を活用すると、小口投資の場合は、利回りが飛躍的に改善します。
このプログラムでは、配当金受取1件につき、10円がもらえます。ポイント投資の場合、数百円といった少額の株に投資することもあります。このようなときに大きく効いてきます。
【メリット】ケーススタディ「三菱UFJフィナンシャルグループ」の場合
どれぐらい利回りが改善するか見てみましょう。
三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)の2021年9月30日の終値は657.9円。1株だけ投資した場合は、657円の投資金額となります。配当は中間/期末の年2回で、1株あたり12.5円の予想で、課税後の受取配当金は10円×2回です。
受取配当金20円 ÷ 657円 = 3.0% ←これが配当利回り
配当金受取プログラムを使うと、年2回の配当に対し、10円/回、年間20円をもらえます。したがって、利回りはこのように変わります。
(受取配当金20円+プログラム20円) ÷ 657円 = 6.0% ←プログラムを使った実質利回り
いかがでしょうか?劇的に変わりましたね。なお、プログラムで受取るお金は、税法上、雑所得となると思いますので場合によっては確定申告が必要となります。
【デメリット】
デメリットというか、注意点もいくつかあります。
毎月エントリーが必要
このプログラムは楽天銀行のウェブサイトかアプリで毎月エントリーする必要があります。忘れると10円のプレゼントはもらえません。配当金の受取が多くなる6月にエントリーを漏らすと悲劇です。
投資金額が増えるほど、効果が薄れる
あくまで1件あたり10円という受取金額なので、1株あたりの投資金額が増えれば増えるほど、利回り改善効果は薄れます。
いつまで続くかわからない
楽天銀行は「常設プログラム」としていますが、このプログラムがいつまで続くか、約束されているものはありません。また、10円/月という金額も今後、変更になる可能性もあります。このプレゼンとの原資となっているのは、銀行間の決済(振込)手数料の楽天銀行側の受取手数料から捻出しているはずですが、2021年10月1日から銀行間手数料の見直しが行われ、どこの金融機関も振込手数料を引き下げたことは記憶に新しいと思います。その影響はこのプログラムにもあるはず。プログラムの中止はなくとも、10円/回の減額は十分見込まれるシナリオです。
最後に
いかがでしたか?配当金を受取るのに、未だに領収証でゆうちょ銀行に持ち込んでいる方、ぜひこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。